はじめまして。
鉄道ブログ「ROUTE & SIGNAL(ルート・アンド・シグナル)」へようこそ。
管理人の元・鉄道総合指令員です。
今、このページを開いているあなたは、単に「電車が好き」というレベルを超えて、「鉄道というシステムそのもの」や「現場の空気感」に魅せられている方ではないでしょうか?
そんな「同志」であるあなたに、まずは私の経歴と、なぜ今さらブログを書き始めたのか、その理由をお話しさせてください。
鉄道キャリア・グランドスラムの果てに
私はかつて、鉄道の現場にいました。
それも、一箇所ではありません。
改札で理不尽なクレームに頭を下げた「駅員」時代。
眠気と戦いながら、数百人の命を背負ってハンドルを握った「運転士」時代。
そして、それら全ての列車を遠隔で監視し、ダイヤという巨大なパズルを動かしていた「総合指令員」時代。
いわゆる「鉄道キャリア・グランドスラム」です。
現場の最前線(駅・運転士)と、それを指揮する司令塔(指令所)。
この「両側の景色」を知っている人間は、業界の中でも実はそれほど多くありません。
なぜなら、運転士と指令員は、無線機越しに「バチバチにやり合う関係」だからです。お互いの正義が違うため、両方の気持ちを本当の意味で理解するのは難しいのです。
しかし、私は幸運にもその両方の席に座ることができました。
そこで見えた景色は、外から見ている「鉄道」とは全く違うものでした。
なぜ、今「ROUTE & SIGNAL」なのか?
正直に言います。
ネット上には、すでに素晴らしい鉄道ブログや解説動画がたくさんあります。
それでも私が筆を執った理由はただ一つ。
「現場の『論理(ロジック)』と『体温(ドラマ)』が、正しく伝わっていない」ともどかしく感じたからです。
例えば、ダイヤが乱れた時。
SNSでは「指令なにやってんだ!」「早く動かせ!」という怒号が飛び交います。
その気持ちは痛いほど分かります。
ですが、その裏で指令員たちが、
「A線を犠牲にしてでもB線を守るべきか?」
「ここで特急を止めないと、30分後にシステムが崩壊する」
といった、「正解のない究極の二択」を、わずか数秒で決断し続けていることは知られていません。
そこには、機械的な冷徹さだけでなく、
「あいつ(同期の運転士)なら、この無理な回復運転に応えてくれるはずだ」
という、人間臭い信頼関係や葛藤が存在します。
「解像度」を上げる旅へ
このブログ「ROUTE & SIGNAL」の目的は、あなたの鉄道に対する「解像度」を上げることです。
• ただの「信号待ち」が、「指令員による巧みな時間調整」に見えるように。
• ただの「駅の放送」が、「現場の限界ギリギリの叫び」に聞こえるように。
教科書的な解説はしません。
Wikipediaに載っているようなことも書きません。
私が書くのは、現場にいた人間にしか書けない「視点」です。
「ROUTE(進路)」と「SIGNAL(信号)」。
この2つを操り、当たり前のように列車を走らせるプロフェッショナルたちの「美学」と「苦悩」を、論理的に、そして少しマニアックに解き明かしていきます。
更新は不定期になるかもしれませんが、これからの記事を読めば、あなたが普段乗っている電車の景色が、少しだけ違って見えることを約束します。
それでは、出発進行。
これから、深い鉄道の世界へご案内します。